SiCに関する技術情報
ダウンフォール
エピタキシャル成長中にウエハ表面に付着した粉状のSiC。黄色の粉末に見えることが多い。SiCのエピタキシャル成長では基板の周囲が熱源であるグラファイト部材で囲まれたホットウォール型のCVD装置を使用する。グラファイト部材は無垢やSiCまたはTaCコーティングされているが、エピタキシャル成長中には原料ガスに曝されることにより基板だけでなく周囲のグラファイト部材上にもSiCの多結晶が成長する。この多結晶SiCがエピタキシャル成長中に多種の要因によりグラファイト部材から剥がれ粉末状となってウエハ上に付着する。エピタキシャル成長中に粉末状となった多結晶SiCがウエハ表面に付着すると、その周囲はエピタキシャル成長により成長していくため、粉末状の多結晶SiCはエピタキシャル膜に部分的に埋め込まれた状態になる。この状態で多結晶SiCがエピタキシャル膜から外れると外れた場所が穴となって残る。ダウンホールはあらゆるSiCデバイスに対するキラー欠陥となることがわかっている。
(児島一聡)
- 2017年8月10日
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