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SiCに関する技術情報

最大接合温度(ジャンクション温度)


 半導体デバイス内部のPN接合部における最大温度を示す。

 半導体デバイスの整流作用を含めた重要な機能はPN接合において発現する。バンドギャップ(禁制帯幅)及びドーパント濃度に依存するある温度以上になると、半導体P型とN型の相違が小さくなりPN接合部の機能が無効化する。Siではこの温度は250℃程度、SiCでは800℃程度と言われている。

 ダイオード及びIGBTにおいて最大接合温度の測定方法としてよく使用されているのは、順I-V特性での立ち上がり電圧(Vknee電圧)を計測する方法である。Vknee電圧は、温度に対して単調に変化する。MOS系デバイスではスレッシュホルド電圧(Vth)を計測する方法も使用される。ただしVthによる方法はチャンネル部での温度を計測することになる。

 最大接合温度は、デバイス内部の最大温度とほぼ等価な意味で使用される。半導体デバイスは半導体材料以外の材料からも構成され、その周囲をパッケージ化されている。実際に使用される半導体デバイスの使用可能な最大接合温度は、半導体材料以外の材料や周囲のパッケージ材料の信頼性から制限される。現状での半導体デバイスの使用可能な最大接合温度は175℃程度である。

(木ノ内伸一)