SiCに関する技術情報
CVD エピタキシャル成長
SiC 素子の活性領域となる単結晶層を形成する方法として、CVD (Chemical Vapor Deposition) エピタキシャル成長が最も広く用いられている。VPE (Vapor Phase Epitaxy) とも呼ばれる。4H-SiC の CVDエピタキシャル成長は、典型的には1500-1700℃ の温度で、数度のオフ角を有する 4H-SiC 単結晶基板に対して行われる。キャリアガスとして H2、 Si 原料として SiH4、 C 原料として C3H8 もしくは C2H2、 ドーパントとして N2 (n 型)、 (CH3)3Al (p 型) が従来用いられてきたが、成長速度の向上を目的に HCl を添加したり SiH2Cl2、SiHCl3、SiCl4、CH3SiCl3 などの Cl を含む原料ガスを用いたりすることもある。4H-SiC CVD エピタキシャル成長装置としては、基板やガスの加熱の点で有利なホットウォール式のものが主流となっている。
参考文献
T. Kimoto et al.: Phys. Stat. Sol. (a) 202, 247, 1997.
O. Kordina et al.: Phys. Stat. Sol. (a) 202, 321, 1997.
(土田秀一)
- 2017年8月10日
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