SiCに関する技術情報
結晶欠陥
SiC 単結晶に含まれる結晶欠陥は、点欠陥と拡張欠陥 (転位、積層欠陥) に大別される。n 型の4H-SiC 単結晶の代表的な点欠陥として、Z1/2 (Ec-0.65 eV) と EH6/7 (Ec-1.55 eV) センターが挙げられる。特に、Z1/2 センターは n 型 SiC 単結晶に対する有効なキャリアライフタイムキラーとして働くことが知られており、エピタキシャル成長条件の適正化や、炭素拡散処理による低減技術開発が進められている。4H-SiC 単結晶中の代表的な拡張欠陥としては、貫通らせん転位、 貫通刃状転位、 基底面転位、 3C 型積層欠陥、 8H型積層欠陥、 キャロット型欠陥などが挙げられ、バルク成長やエピタキシャル成長における低減技術開発が進められている。
参考文献
T. Kimoto et al.: Phys. Stat. Sol. B, 245, 1327 (2008).
H. Tsuchida et al.: Phys. Stat. Sol. B, 246, 1553 (2009).
(土田秀一)
- 2017年8月10日
- 印刷する