SiCに関する技術情報
触媒定盤
触媒基準エッチング(CAtalyst-Referred Etching; CARE)法にて用いられる加工の基準面となる定盤であり、機械研磨であるラッピングにおけるラップ盤やポリシングにおけるポリシングパッドに相当する。触媒材料そのもので形成されるものや、触媒材料以外で基材となる定盤を形成し、その表面に触媒薄膜が成膜されたもの等がある。基材の硬さに応じて平坦化される凹凸の空間波長が決まるが、粗さの除去が目的の場合、基板の厚みムラ等の影響を受けにくくするため、基板表面になじむ軟質の基材を用いる。SiC基板の平滑化においては、ゴム製基材の表面に白金薄膜を成膜した触媒定盤が用いられ、フッ化水素酸に浸漬させた状態でSiC基板と触媒定盤を接触・相対運動させることで基板凸部より選択的に溶解が進み、原子レベルで平坦な面が形成される。この際、相対運動による平均化機構が働いており、ポリシングパッドがそうであるように、触媒定盤表面は原子レベルで平坦である必要は無い。
(佐野泰久)
- 2017年8月10日
- 印刷する