SiCに関する技術情報
ドナー―アクセプター対発光
半導体の発光(ルミネッセンス)の種類であり、バンドギャップ中のドナー準位に捕えられた電子と、アクセプタ準位に捕らえられたホール(正孔)が、ペア(対)となって、再結合する際に、そのエネルギーを光の形で放出する現象である。発光エネルギーはドナーとアクセプタの距離に依存するため、距離の異なる多数のドナー、アクセプタが存在する場合には連続的な発光スペクトルとなる。4H-SiCに対する可視光領域のフォトルミネッセンス(PL)測定では、440 nm (2.8 eV) から 600 nm (2.0 eV) あたりに現れるブロードなピークとして観察されるものがある [1]。
[1] M. Tajima et.al. Jpn. J. Appl. Phys. Vol. 36 (1997) pp. L1185-L1187.
(鎌田功穂)
- 2017年8月22日
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