SiCアライアンスの紹介
大阪大学大学院工学研究科精密科学
大学紹介
【HPアドレス】
http://www.prec.eng.osaka-u.ac.jp/
(大阪大学 大学院工学研究科 精密科学・応用物理学専攻)
http://www-up.prec.eng.osaka-u.ac.jp/
(同 超精密加工領域(山内研究室))
(大阪大学 大学院工学研究科 精密科学・応用物理学専攻)
http://www-up.prec.eng.osaka-u.ac.jp/
(同 超精密加工領域(山内研究室))
大阪大学大学院工学研究科精密科学・応用物理学専攻においては、旧来より、原子レベルの形状精度を実現する新しい生産技術の研究開発が盛んに行われてきました。微粒子表面原子と被加工物表面原子との化学反応を利用して原子単位の加工を実現したEEM (Elastic Emission Machining) や大気圧プラズマを用いた高能率・ダメージレスなドライエッチングであるPCVM (Plasma Chemical Vaporization Machining) 等といった新しい原理に基づく加工技術が考案され、例えば形状誤差2 nm未満の高精度非球面ミラーを実現する等、超精密加工分野において優れた実績を有しています。しかしながらこれらの超精密加工を実現するためには、被加工物は化学的に均質である必要があり、単結晶かアモルファスである必要がありました。そこで、2004年、多結晶や焼結体でも原子レベルの形状精度を実現すべく、触媒表面を基準面とした化学エッチング法 CARE (CAtalyst-Referred Etching) が私共の研究室で考案されました。その際、偶々手元にあった単結晶SiCウエハをCARE加工してみると、その加工面は美しい1バイレイヤーのステップ-テラス構造になっていることが分かり、「これは使えるかもしれない!」ということで、単結晶SiCウエハ表面研磨技術としての実用化研究にとりかかりました。現在、Si面およびC面あるいはオフ角を問わず、2インチおよび3インチウエハ全面の平滑化が可能になっています。また、先述のPCVMをSiCの加工に用いることで、加工歪を導入することなく高能率な加工が実現できることから、PCVMのベベル加工や薄化加工、ダイシング加工等への応用も検討を行っております。
SiCアライアンスへの参加の趣旨・期待
当研究室ではSiCに対する種々の新しい加工法の研究開発を行っていますが、その加工法によって得られる具体的な効果等について、SiCアライアンスへの参加を通じて知見が得られればと思っております。また、大学という場所柄、どちらかというとシーズオリエンテッドに偏りがちですので、SiCアライアンスへの参加を通じて、SiCウエハや素子の生産に係る情報を共有することで、ニーズに合った新規加工法の開発にも取り組んで行ければと考えております。SiCに相応しい加工法の提案によって、SiCウエハおよびSiC素子の高性能化(高品質化)・低価格化に少しでも貢献できればと思っておりますので、どうぞよろしくお願い致します。
- 2017年8月18日
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