SiCに関する技術情報

ダイオードブリッジ回路


ある入力端子対の電流が並列接続された2つの回路に分岐し、分岐した各々の回路の中間から出力端子対を取り出し、閉回路とした電気回路の構成をブリッジ回路という。インピーダンス測定用として、並列回路部分に既知のインピーダンスと測定対象を接続したものが、インピーダンスブリッジとしてよく知られている。並列回路部分にダイオードを挿入したものをダイオードブリッジとよぶ。ただしダイオードは、整流特性を持つ非対称の素子であるため、ブリッジ回路中のダイオードを互いに逆極性で動作するように接続することで、入力側の端子対に接続された交流が整流されて出力端子に直流としてあらわれる。このため、ダイオードブリッジ回路が交流電源から直流電源を作るための回路として用いられる。一般に半波整流回路をハーフブリッジ、全波整流回路をフルブリッジとよぶ。単相交流の全波整流に用いられる構成を単相フルブリッジ回路とよび、その回路構成からHブリッジとよばれることもある。三相交流の整流に用いる回路を三相フルブリッジ回路とよぶ。ブリッジ回路における各個別の要素をアームと呼び、直流出力側の正負の間に直列接続されている部分を、上下一組でレグと呼ぶ。単相フルブリッジ回路では4アーム(2レグ)、三相フルブリッジ回路は6アーム(3レグ)で構成される。

(舟木 剛)