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基礎知識資料集

 

材料分野

FCCS法

FCCS(Free Carrier Concentration Spectroscopy)法は、Hall効果測定などで測定した多数キャリア密度の温度依存性から、半導体中の多数キャリア密度に影響を与える不純物や欠陥の密度とエネルギー準位を評価する方法である。
1種類の不純物(ドナーまたはアクセプタ)だけを含んだ場合は、多数キャリア密度の対数(縦軸)と温度の逆数(横軸)のグラフの傾きからエネルギー準位が、飽和値から密度が評価できる。一方、複数の不純物や欠陥がある場合は、不純物や欠陥の数及びそれぞれの大まかな密度とエネルギー準位を仮定して、多数キャリア密度の温度依存性をカーブフィッティングする方法が良く用いられている。しかし、これらの仮定により、決定する密度とエネルギー準位が大きく影響を受ける。そこで、半導体に含まれる不純物や欠陥の数を実験から見積もるために、多数キャリア密度を微分する方法があるが、測定誤差を含む測定データを微分するため、得られた結果の信頼性が低くなる。
以上のことを考慮し、FCCS法では測定データを微分しない評価関数を定義した。この評価関数はそれぞれの不純物や欠陥のエネルギー準位に対応した温度でピークになる。したがって、ピークの数から不純物や欠陥の数が、各ピーク値から密度、各ピーク温度からエネルギー準位が求められる。
窒素が添加された4H-SiCや6H-SiCでは、立方晶サイトや六方晶サイトに入った窒素によるドナー密度とドナー準位をそれぞれ決定できた。さらに、窒素添加3C-SiCでは予想に反して3種類のドナーが検出された。一方、Alドープの4H-SiCではAlアクセプタ以外に深い準位のアクセプタが検出された。さらに、高Al濃度の場合はフェルミ準位が価電子帯とアクセプタ準位との間にあるため、Alアクセプタの励起状態が正孔密度に影響を与えることが分かり、励起状態を考慮してアクセプタ密度と準位が見積もれるようになった。
FCCS法のWindows用アプリケーション及び資料の入手先(http://www.osakac.ac.jp/labs/matsuura/)。

(松浦秀治)